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有機JAS認証制度について① -仕組みと取得の流れ-

私たちの食卓に並ぶ「有機」「オーガニック」と表示された農産物や加工食品。
日本国内で、対象となる品目を「有機」として表示して販売するには、有機JAS制度(有機JAS認証)に基づく手続きが必要です。

ここでは、有機JAS制度の基本と、認証取得までの一般的な流れ、認証後に求められる管理について、分かりやすく解説します。

1. 有機JAS制度の基本 有機JASマークと第三者認証

有機JASは、国の制度(JAS制度)に基づく第三者認証です。
農林水産大臣の登録を受けた「登録認証機関」が、基準への適合を審査し、適合した事業者だけが有機JASマークを表示できます。

ポイント
有機JASは「良い・悪い」を感覚で判断する制度ではなく、基準に沿った管理が、記録で追跡できること(生産行程管理)を重視します。

有機農産物生産の考え方(基本原則)

有機JASの考え方は、単に「農薬を使わない」ことだけではありません。基準では、例えば次のような方向性のもとで、自然の力を活かし、環境負荷をできる限り低減することが求められます。

化学的に合成された肥料・農薬に過度に依存しない

土づくりを通じて土壌本来の生産力を引き出す

農業が環境へ与える負荷をできる限り小さくする

2. 認証の対象となる事業者

有機JAS認証は、生産者だけでなく、加工・流通に関わる事業者も対象になります。代表例は次のとおりです。

生産行程管理者:有機農産物や有機加工食品などを生産・製造する事業者

小分け業者:有機農産物・加工食品を小分け(詰め替え)して「有機」として販売する事業者

加工業者:有機JAS規格に沿って農産物や畜産物などを原料に「有機加工食品」を製造・加工し、有機JASマークを付して販売する事業者のことで、「生産行程管理者」や「小分け業者」など、その役割に応じて認定の対象となります。単なる洗浄・切断・乾燥(一部例外あり)は「小分け」、加熱・味付け・粉挽き・搾汁などを行う場合は「加工食品の生産行程管理者」として認証を受ける必要があります

3. 認証取得までの流れ(一般的な例)


① 事前準備・申請

まず、有機JASの基準を理解し、次のような準備を進めます。

責任者(生産行程管理の責任者、格付担当者など)の選任

・内部規程・格付け規定(管理のルール)の整備

記録様式の整備(作業記録、資材の購入・使用記録、出荷記録など)

準備が整ったら、認証機関を選定し、申請書と必要書類(ほ場図、規程、記録類等)を提出します。

※必要な記録の期間や範囲は、作物・ほ場の状況や認証機関の運用によって確認が必要です(転換期間を含む整理が求められる場合があります)。

② 書類審査

認証機関が、提出書類が基準に適合しているかを審査します。不備があれば、修正・追加提出が求められます。

③ 実地検査

検査員がほ場や施設を訪問し、申請内容と現場の実態が一致しているか、記録と運用が整合しているかを確認します。
実地検査で確認される主な項目(例)は、次のとおりです。

生産行程管理(ほ場・施設の状況、管理の根拠と記録)

周辺からの汚染・混入防止(隣接圃場等への配慮)

水の管理(用水等の状況)

使用資材の管理(入手方法、保管場所・管理方法)

収穫後工程の管理(調製、選別、保管、輸送など)

格付後の出荷・処分方法

体制(責任者・格付担当者の配置、資格・人数)

④ 判定・認証

実地検査の結果を踏まえ、基準に適合しているかが判定されます。適合となれば認証文書が交付され、以後、有機JASマークの表示が可能になります。

4. 認証後の業務(継続して求められること)

有機JASは「一度取って終わり」ではありません。認証後も、基準どおりに運用できていることを示すため、継続的な管理が必要です。

格付と記録

出荷前に、製品が有機JAS規格に適合していることを確認(格付)し、記録を残した上でJASマークを貼付します。

年次調査(定期調査)

認証後も、定期的に認証機関の調査を受けます。調査では、実地での確認や記録類の確認が行われ、調査後に調査報告書が作成され、検査結果が事業者に提示されます。

不適合があった場合(是正・再発防止)

調査・検査で不適合が確認された場合は、内容に応じて、是正、再発防止、原因究明、改善報告書の提出、必要に応じた実施状況の確認(再確認)などが求められます。

また、不適合内容に応じて、認証機関が「改善要求」等の対応を取る整理も示されています。

5. よくある質問

Q. 水耕栽培は「有機」と表示できますか?

A. 一般に、有機JASの有機農産物は「土壌を基盤とする生産」の考え方が中心になるため、土を用いない栽培は整理が必要になります。作目や方式によって取扱いが異なる場合があるため、実施予定の栽培方法を前提に、認証機関へ事前確認することをおすすめします。

Q. 認証にかかる費用は?

A. 認証機関や規模、対象区分により異なります。各認証機関が手数料規程を公開しているため、比較・確認のうえ選定してください。

Q. 違反があった場合はどうなりますか?

A. まずは不適合内容に応じて改善(是正・再発防止)が求められます。重大な不適合の場合は、追加確認等を含めて厳格に対応されます。

これから申請をお考えの方へ

はじめに、「認証区分(農産物/加工食品/小分け等)」の整理と、「どの工程までを有機として管理するか(混入防止・記録・責任体制)」を明確にすることが、最短ルートになります。
制度対応は“書類作業”に見えがちですが、実態は日々の管理を仕組み化することです。自分たちの現場に合ったルールと記録から、一歩ずつ整備していきましょう。

詳しくは農林水産省の有機認証制度についてのHPで確認してください。

https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

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